取材記事の書き方

ライターや編集者には内向きの人と外向きの人がいて、私はどうも外向きと見なされているようです。「子どもの頃は、内気だったんだぞー!」と言っても誰も信じてくれず、「高校の頃はロクでもないヤツだったんだぞー!」と言うと、「そうだろう」というリアクションが返ってくるのが不本意なのですが、何はともあれ外向きということは否定しません。
出版業界で内向きの典型を辞典づくりタイプとすれば、外向きは雑誌タイプですから。

取材に欠かせないのは、何と言っても好奇心です。「どうして?」「なぜ?」と問いつめて行く積極性がないと、必要なことを十分に聞き出すことはできません。まず、これを十分に持っている人が、意外と少ないです。持っていれば、助手くらいは務まるのですが…。

もうひとつ、プロの仕事で重要になるのは、「心のひだ」です。取材記事というのは、聞いた話をそのまま形にするものではありません。出版物には編集意図があり、広告物には宣伝や広報のための意図があります。そうした意図を抑えた上で文章を書くとなると、ご本人が全く話していないことを書かなくてはならなくなることも珍しくありません。

では、「だいたい、こんなもんだろう」と書いていいのかと言えば、それは違います。ご本人がゲラを読んで、「これ! これ! これが言いたかったんだ!」ということを探り当てて、代わりに語ってあげなければならないのです。取材相手が子どもの場合は、親御さんが「うちの子が言いそうなことだなあ!」とか「こんなことを考えていたのか、でも、わかる」と思うようなことを代わりに言ってあげるのです。それをするためには、「心のひだ」が必要です。
わかりやすい例で言えば、女性が「バカね」という場合、ケース・バイ・ケースでいろんな意味がこもりますが、この程度はほぼ正確に把握するくらい、あたり前にできないと無理です。さらに、「ここまでは書いていい、これは書き過ぎだ」という判断がつかないとなりません。言葉というボールを使ったコミュニケーションを野球に例えれば、緩急織り交ぜて、5o上・下・右・左に正確なコントロールで投げる力がないとなりません。

取材の面白さも、取材記事を書く難しさも、そのへんにあります。

<注記>
不慣れな方がこの方法を用いると、「自分が話していないことを勝手に書いた」と文句を言われる怖れがあります。相当にスキルを積むまでは、「推理」や「推測」で記事を書くべきではありません。しっかりと相手の方の話を聞き、メモを取り、不足している部分は電話などで確認しましょう。「自分が何となく思っていたことを、しっかりした言葉にして頂いてうれしい!」と言われるようになるまでには、修行が必要です。

編集者の目を持つライター、hirosawa


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