取材にICレコーダーは必要か?

取材について電話があり、「録音機材を持ってきてほしい」とのこと。私のケータイの録音機能はあまり高くないので、ICレコーダーを買わなければなりません。「機械に頼らない方がいいんですよ」と言ってみたのですが、「どうしても」ということ。
実際、それほどの機材が必要な取材ではないのですが、「どうしても」なら仕方がないですね。

経験的に言って、ICレコーダー(高性能ならケータイでもよい)が最もその能力を発揮するのは、講演です。つまり100%相手のペースで進むものです。
1対1でのインタビューでは、相手の人の話を聞きながら、制作するページのイメージを思い浮かべ、書く文章を考えます。そして、発展させるべき方向へ誘導し、話を引き出します。こういうもので機材に頼ると、ロクなことにはなりません。機械をあてにする心理が働き、脳を使わないで取材をしてしまい、書き始めてから「あのことを聞いておくべきだった」ということになります。ですから、私は基本的にインタビューで、ICレコーダーは使いません。 しっかりメモして置けば、たとえ半年後でも、記事を書けます。もちろんメモは速記とは違うので、簡略なものです。しかし、図化できる話は図化しながら書くなどの工夫をしておくと、確実に再生できます。数学のできる人は、テストのとき公式を忘れていても、問題を解きながら公式を導き出してしまう、というのに、ちょっと似ているかもしれません。

ただし、機械を否定しているわけではなく、私も状況に応じてICレコーダーを使うことはありますし、一方、ICレコーダーでは性能不足、という取材もあります。複数の人の座談会などです。よほど声に特徴がない限り、声だけを頼りに、だれがどの言葉をしゃべっているのかなど、あとで判断できるものではありません。映像を伴う動画やビデオなどが必要になります。
機械がない場合は、集中して、だれが何をしゃべったかを明確にしながら、メモを取る必要があります。

何を言いたいかと言うと、ギリギリの時間の中で、機械をあてにせずに、どう文章を展開させるか複数の可能性を考え、それに合わせて質問し、自分なりの記号などでメモしていくことの繰り返しが、あなたの取材力や文章構成力を育てますよ、と言っているわけです。

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